当サイトではIT・Web系技術、メタバースなどの情報提供を目的とします。
個人的な技術ブログなども投稿する予定です。

【2023年】VRChatの次の進化と注目すべき技術

みなさんこんにちは。ゆーろんです。 2023年最初の記事ということで、今回は2023年にVRchatでの表現をさらに広げる新しい技術とVRC世界を創るために使われているテクノロジをいくつか紹介します。 個人的には、私自身(ゆーろん)が元々、VRChat用のワールドを開発していたということもあり、一昨年(2021年)と比較してVRChatで表現できることの幅が何段階も増えていることを確信できました。 またVRC内の個人開発者などからも話を聞いてきたので、その辺も少し織り交ぜながらVRChatの将来的なビジョンに関しても触れていこうと思います。 目次 VRChatでワールドを構築するための技術 参考記事(外部リンク) VCCとOSC VCCとは OSCとは 参考記事(外部リンク) 2023年注目のUdon2 参考記事(外部リンク) まとめ VRChatでワールドを構築するための技術 VRChatでクオリティの良いワールドを作るためには、ゲーム系(Unityやシェーダ、3DCG、グラフィックなど)の知識や実装経験があるとスムーズにできるでしょう。もちろん、そういった知識がほとんどなくても現在、豊富にネット上にワールドを制作するための情報が転がっているので、それらを組み合わせることで個人の思い描くワールドを大まかには作ることができます。 具体的にワールドを作るためには、「Unity」「VRChat SDK」「コンテンツデータ(3Dモデルデータや音声、画像データなど)」が必要です。また複雑なギミック(ゲーム系のシステム)を作るにはUnityC#やUdonSharpに関する知識があると実装可能です。 UdonSharpとは UdonSharp(U#)はMerlin氏が開発したオープンソースソフトウェアで、C#に似たコードをUdon Assemblyにコンパイルすることができるものです。 通常のUdon(VRChat上でギミックを作るための仕組み)はノードベースでプログラミングする必要がありますが、U#を用いることでC#でUdonを書くことが可能になります。ただ標準のUnity C#と異なりさまざまな制限事項があるためUnity C#のコードをそのままストレートに書くことはできません。 参考記事(外部リンク) GitHub - MerlinVR/UdonSharp: An experimental compiler for compiling C# to Udon assembly GitHub An experimental compiler for compiling C# to Udon assembly - MerlinVR/UdonSharp シン・U# 入門 ② - ハツェの真時代傾向璋 ハツェの真時代傾向璋 こんばんは。ハツェです。 今回も、Udonをスクリプトで制作するための記事を書いていきます。 今回は、Udonの同期関連について話して行けたらなと思っています。 あくまでもU#を扱っているので、この記事はコードを基礎的に書ける方を対象としています。予めご了承ください。 動作環境は、Unity : 2019.4.29f1、VRCSDK : 2021.08.11.15.16、U# : v0.20.2です。 目次 前回 今回の概要 同期について ObjectSyncによる同期 変数の同期 変数の同期方法 Inspectorから同期方法を指定する スクリプト内から同期方法を指定する Continuou…

日本中心のメタバース Cluster に行ってみた!

先日、初めてVRSNSの1つである Cluster に行ってきました。 存在自体は2020年ごろから知っていたのですが、当時は参入者が少ないこととまだ機能や文化が十分ではなく発展途上だったこともあり、様子を見ていました。 今年になってユーザがかなり増えたと聞いたので、Clusterの文化・風土の確認と調査も含めて参入してみた次第です。VRChatを含む他のメタバースとの違いや特徴もまとめたいと思います。 目次 Clusterとは Clusterの特徴 Clusterユーザや文化に関して 他のメタバースプラットフォームとの比較 メタバースの可能性と個人的な考え Clusterとは 「Cluster」は VRChatと同じく、大人数でアバターを使いコミュニケーションできるソーシャルVRと呼ばれるジャンルのサービスです。 他のメタバースの違いはモバイル(IOS/Android)端末によるアクセスがサポートされていることです。これによりPCやVR機器を持っていなくてもワールドに入り、コミュニケーションをとったりイベント(後述)に参加することができます。 アバターデータは数年前と異なりUnityを通したアップロードではなく、WEBサイト上でアバターデータをアップロードして利用する方式となっています。 またアバターデータは一般的な「fbx」ではなく、株式会社ドワンゴが中心となって開発された「vrm」となっています。 運営元の企業が日本の法人であることも特徴の1つです。 Clusterの特徴 そんなClusterですが、Clusterはイベント特化型のプラットフォームと言えます。 どういうことかというと、Clusterのコンセプトとして「バーチャルイベント会場やバーチャル空間上での会議、音楽ライブ向けへの利用」を想定したアーキテクチャとなっているためです。 画像は先日Cluster上で音楽活動をされている方である「フォックスレイア(@Foxrayer)」さんのライブに行ったときの様子です。 Clusterではイベント企画者を中心にワールドのコンセプトや場の雰囲気を用意し、ワールド参加ユーザに提供することができます。こういったことはVRChatやNeos VRなどでは難しいです。 そのためただ単に集客するのではなく、コンセプトに沿ってユーザを集め、場を提供できることは非常に大きいです。 Clusterはそういう意味ではClusterは「VRSNS版のYoutube」としてのポテンシャルも持っていると考えています。 VRChatを含む他のメタバースは「開発勢やクリエイタ勢」が中心となって文化や世界観を提供する必要がありましたが、Clusterではそういった人たちだけではなく、ユーザ自身がコンテンツ配信者(イベント企画者)として振る舞えるのが、他のVRSNSと一線を画す魅力となっていると言えます。 Clusterユーザや文化に関して Clusterのユーザ層や文化をVRChat, Neos VR, Clusterの3つのメタバースを体験してきた身として、比較しながら述べたいと思います。 Clusterでは他の2つのプラットフォームと違って「ライトなユーザ」が多い気がしました。 ライトなユーザ とは「幅広いベクトルをもったユーザ」を指します。 VRChatでは「アニメ・アート・キャラクタ・ゲーム・動画などのサブカルチャに付随するWebコンテンツやゲーム・WEB系技術が好きなユーザ」である ヘビーユーザ が非常に多いですが、Clusterでは 「音楽家や僧侶、アーティスト、絵師、Vtuber、ラジオ話者、司会者など 様々な分野で活躍している人 」が中心となって文化を盛り上げているように思えました。 また、ボイスチャットだけではなくテキストチャットもサポートされているので気兼ねなくコミュニケーションが可能です。テキストチャットのインターフェスも非常に操作しやすいです。 他のメタバースプラットフォームとの比較 前述したVRChat、Cluster、Neos VRを大雑把に比較してみます。 名称 人数 規模 ユーザ層 VRChat ◎ グローバル ヘビーユーザ Cluster ○ 日本中心 ライトユーザ NeosVR ○ グローバル VRユーザ またVRChatとClusterでのユーザへの価値提供のヒエラルキーをまとめると以下のような感じです。 メタバースの可能性と個人的な考え メタバースは通常のSNSであるTwitter, Facebook, Mixiなどでは提供できなかった新しい価値を提供できるのは明白です。ただより多くの人に普及するには、ユーザビリティに考慮した環境やコミュニティ文化の構築、VR機器の廉価化や軽量化、ARの普及など課題は山積みです。

メタバース「VRChat」と文化の紹介

こんにちは。ゆーろんです。 先日久しぶりにVRChatに行ってきました。 今回はVRChatというVRSNSの紹介と面白さそして文化に関しても紹介します。 目次 VRChatとは アバター文化に関して 私の参加した開発者集会 VRChatとは 「VRChat」はVR空間内にアバターでログインし、多人数でコミュニケーションできるソーシャルVRと呼ばれるジャンルのアプリ・サービスです。 不特定多数の人たち(海外の人たちも含む)とのコミニケーションがメタバース空間上で可能です。 アバターが動ける世界である「ワールド」の開発や「アバター」の3Dモデル制作もUnityやBlenderなどの3Dツール、VRChatSDKを通して可能であり、アップロードしてVRChat上で使用が可能です。 現在(2022年)は日本でメタバースと言えば、Clusterと並びVRchatは有名どころとなっています。 アバターを使って自分をゲーム空間上で表現してコミュニケーションできることが他SNSと異なった、メタバースの魅力と言えます。 アバター文化に関して そんなVRChatですが、メタバースのクリエイタティブ活動が最も活発なプラットフォームとしては最大級であると言えます。 Pixivのサービスである「Booth」では個人が表現できる数多くのアバター、ワールド開発向けの3Dモデルやギミックなどが販売されています。 ここで販売されているアバターや商品はVRChatでの使用を想定したものが多いです。 BOOTH - 創作物の総合マーケット BOOTH(ブース)とは、pixivと連携した、創作物の総合マーケットです。無料で簡単にショップを作成でき、商品の保管・発送代行サービスも提供しています! 実際にVRChatのメタバース向けの3Dモデルを制作し、Boothで販売することでかなりの額を稼いでいるクリエイターもいます。 VRChatが日本のゲームやサブカル文化とマッチして発展してきたのは、間違いなくBoothの影響が大きいでしょう。 クリエイターや開発者、そして利用者側もみんなでVR文化や世界を創って発展できることはVRChatの発展には不可欠だったと個人的には見ています。 私の参加した開発者集会 2022年11月24日に久しぶりにVRChat上で遊べるワールドや各種便利ツールの開発者が集まるイベントに参加しました。 私自身も今年前半までVRChatのワールドをUnity C#(Udon)で開発していたということもあり、個人的には物凄く楽しい集会でした。